20年前の神事 先輩も見学 上松で6月 御杣始祭へ 上松中 全校で映像鑑賞

伊勢神宮の社殿を20年に1度造りかえる式年遷宮の祭典の一つで、御用材を上松町内で切り出す6月3日の御杣始祭を前に、地元の上松中学校の生徒が8日、平成17(2005)年の前回の祭りの様子を収めた映像を鑑賞した。全校生徒で祭事を見学した様子を記録に残した映像で、御神木が切り出される神事に拍手を送る当時の中学生の姿があった。先輩たちの生き生きとした表情に刺激を受けた生徒たちは「私たちにとっての本番も間もなく」との思いを新たにしていた。
2年生24人は、町社会福祉協議会が毎月実施している憩いの場「にじいろカフェ」があった上松町公民館で、住民と一緒に鑑賞した。佐藤歩夢さん(13)は「(赤沢自然休養林で営まれた)御杣始祭を制服姿で見学している当時の中学生の姿に驚いた。正装で参加したということなんだと思う」と感心。「記憶に残し継承しなければいけないという思いが強くなった」と話していた。1、3年生は学校で鑑賞した。
映像は上松中の教職員が撮影し、図書館に20年間〝眠っていた〟。当時、上松中の美術教諭で放送委員会の顧問だった丸山尚志さん(64)=塩尻市=が撮影と編集を主に担った。「校内にあったカメラを集め、先生方と分担して撮影した」と懐かしむ。「残した記録が20年ぶりに息を吹き返したようだ。活用してもらえればうれしい」と話している。
上松中の全校生徒と上松小の5、6年生は、6月3日の御杣始祭を見学する。