政治・経済

パルコ後も商業施設に 最終調整 「劇場型SC」11月開店へ

28日に閉店予定の松本パルコ。「劇場型SC」として11月にグランドオープンを目指す方針が示された 

 28日に閉店予定の松本パルコ(松本市中央1)の後利用を巡り、商業コンサルティング・やまき(東京都港区)が、ライブステージなどのイベントスペースや食品フロアを備えた商業施設として、11月にグランドオープンを目指す方向で最終調整に入ったことが25日、関係者への取材で分かった。近く正式に発表する。

 25日に地元関係者への説明会が開かれ、やまきが現在の建物を活用して「劇場型SC(ショッピングセンター)」として開店する方針が示された。やまきはこれまでに、上層階をイベントスペース、中層階を物販フロア、下層階を食品フロアに改装し、隣接する花時計公園も活用して、人が集う拠点として整備する方針を関係者に示していた。
 パルコの後利用を巡っては、一昨年11月に下層階をパルコの運営会社が手掛ける商業施設として、上層階を市の子育て支援や図書館などの公共施設として整備する計画が示された。昨年3月の市長選で、この計画の再考を訴えた新人候補が現職の臥雲義尚市長に肉薄し、パルコが「契約の見通しが立たない」として協議が中止となった。
 その後、9月の市議会定例会の答弁で臥雲市長が「民間企業による現在の建物を活用した商業施設としての運営提案」があることを明らかにしていた。
 松本市の中心市街地では井上本店(深志2)も3月31日で閉店を予定し、空洞化や衰退の懸念が高まっていた。市は昨年7月に臥雲市長の諮問機関「中心市街地再設計検討会議」を立ち上げるなど、パルコ・井上閉店後の再活性策を検討していた。
 やまきは、松本駅前のアルピコプラザ(バスターミナルビル)の改装に携わった。再オープン後も中心街ににぎわいをもたらす施設として継続的に運営できるかが今後の焦点となりそうだ。