2025.4.9 みすず野
『少年』『少年ブック』『少年画報』『ぼくら』『冒険王』。かつて子どもたちが夢中になった少年雑誌の誌名だ。どんな雑誌を挙げるかで、おおむねどのあたりの年代かがわかる。王者は「鉄腕アトム」「鉄人28号」「ストップ!にいちゃん」などが載っていた『少年』だろうか◆付録があり「昔の少年雑誌の次号予告には、あっと驚くようなものが載っていた。映写機やレコードプレーヤーなどの豪華な絵が、購買意欲をそそる」と作家の北村薫さんは回想する(『本と幸せ』新潮社)。厚紙を組み立てる玩具だが、心は躍った◆「そういう刷り込みのせいかも知れない。CD付き、あるいはDVD付きの本があると、つい手に取ってしまう」という。同様の刷り込みがあるのでやはり敏感に反応してしまう。失敗したのは、金魚売りなど伝統的な商売の売り声を収めたCD付きという新書を古書店で見つけて買ったが、CDがなかった◆音楽関係の本にCD付きは珍しくない。北村さんのこの本は、作家生活30周年の特別愛蔵版。「さばのみそ煮」「白い本」という自作2編を自ら朗読したCDが付いている。まだ聞いてないのだけれど。