山形・百瀬村長、DXなど3本柱に力 臨時会で施政方針

山形村の百瀬繁寿村長は23日に開会した村議会臨時会に、2月の村長選挙に伴い編成が見送られていた政策的経費を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案など11議案を提出した。一般会計補正予算案は歳入歳出に2億404万円を追加し、総額を42億6804万円とした。デジタル技術で住民サービス向上や業務効率を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、令和9年度末の開館を目指す新たな複合施設の整備事業などに重点配分した。
百瀬村長は施政方針演説で▽DX推進による住民満足度の向上▽多様性を認め合う時代に合った連絡組織の提案▽複合施設建設―を3本の柱に挙げた。人口減少・少子高齢化が地域社会の活力を失うことにつながりかねないと危機感を示し、「安心して子育てできる魅力ある村づくりを進める。村の豊かな自然文化や人の結びつきを生かし、若い世代が希望を持って暮らせる環境を整えることが重要」と将来の活力につながる取り組みを積極的に進めるとした。
DX推進では、昨年度から外部登用する「最高情報責任者(CIO)補佐官」を活用した庁内の働き方改革や、行財政改革を加速させる。補佐官派遣委託料として昨年度の2倍となる600万円を計上した。図書館、博物館、子供の居場所・住民交流の場の3機能を備える複合施設の整備では、実施計画の設計事業者への委託料などに9600万円を盛った。
これまで行われてきた各種補助事業は住民サービス・福祉向上に重要なものを継続する方針で、松本市のJR松本駅前と村を結ぶアルピコ交通の路線バス・山形線の運賃助成費、風食防止対策の助成費などを計上した。新たに妊婦歯科検診助成、1~2歳を対象にしたおたふくかぜ予防接種助成を事業化した。
臨時会の会期は25日までの3日間。