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右折合図を出さない車多く 「まつもと道路交通考」改良ファイル④筑摩神社東の交差点

 市民タイムスの企画報道「まつもと道路交通考」には、読者の皆さんから道路利用者や地域の生活者の視点でさまざまな意見が寄せられています。その一部を要約して掲載します。道路の危険箇所や問題の見られる交差点なども「改良ファイル」として紹介します。

 松本市の筑摩神社(筑摩2)の東側にある、県道に薄川の堤防道路が突き当たる丁字路交差点は、堤防道路から来た車が右折する際にウインカー(合図)を出さない違反が常態化している。逆に、県道から堤防道路に左折する車はほぼ全てが左折の合図を出している。
 堤防道路が県道に突き当たる場所には右折レーンがあるが、大半の車が合図を出さず、ほぼ直進で進んでいく=図。
 一体なぜこのようなことが起こるのか。現場を確認すると、右折の角度が緩やかなことに加え、右折レーンの路面にある矢印の形が、一般的な右折の矢印ではなく、直進の矢印の先端をわずかに右に曲げたような形になっていることが原因のようだ。多くの車がこの矢印の示す方向そのままにほぼ直進しており、右折の認識をしていないドライバーがいる可能性もある。
 ただ、センターラインや交差点内の路面表示の形状を見れば、県道に突き当たって右折するのは明らかで、近くの自動車教習所の教習車が正しく右折して範を示している。松本署の神谷智久地域・交通担当管理官は「きちんと合図を出してルール通りに右折してほしい」と呼び掛ける。
 ドライバーの法令順守が大前提として、道路構造と交通安全対策に詳しい千葉工業大学の赤羽弘和教授にも意見を求めた結果、▽右折の矢印を通常の形のものに替える▽正しい右折ルートを示す誘導線を引く▽東側(県道)の停止線を「前出し(交差点中央側に寄せる)」する―ことも有効な対策候補として考えられ、何らかの改善が望まれる。