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松本市内の図書館 新年度から順次ICタグ導入 8年度から自動貸し出しへ

市中央図書館のカウンター。自動貸出機が導入されると業務が大幅に効率化される

 松本市は新年度、市中央図書館(蟻ケ崎2)など市内全11図書館の蔵書や視聴覚資料約134万点を管理する「ICタグ」を導入する。令和8年度に自動貸出機と盗難防止のICゲートの導入を予定しており、まずは来年度に1年間をかけてICタグを順次取り付ける。市が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の一環で、8年度以降は全館で自動貸出機による貸し出しを始める。
 塩尻市や安曇野市など県内6市町村の図書館はすでにICタグが導入されており、松本市も導入に向けて検討を進めていた。蔵書点数が最も多い市中央図書館が9年度中に老朽化に伴う改修工事に入り、11年度まで閉館することから閉館する前に導入を決めた。新年度の一般会計当初予算案に、導入費用1億941万円を計上した。
 8年度に導入する自動貸出機は利用者がセルフで本を借りることができ、図書館職員の負担軽減につながる。返却は従来通り窓口で受け付ける。午後10時まで開館している南部図書館(芳野)のみ、セルフで返却ができる返却機を導入する。職員がいる時間帯は窓口で返却を受け付けるが、午後8時から10時までは返却機を使う方向で調整している。
 全11館の一般図書・児童図書(CD、DVD含む)の行方不明数は2月20日現在で1869点に上り、ICタグの導入で盗難防止の効果も期待できる。市中央図書館の藤森千穂館長は「DX戦略の一環で利用者の利便性を向上し、行方不明の図書を減らすことにも効果を期待したい」と話している。