恐竜の骨格標本「びっくり!」折り紙製 松本の四賀化石館で人気

精巧に作られた恐竜の骨格標本が松本市四賀化石館(七嵐)で人気を集めている。まるで今にも動き出しそうな堅固な骨格そのものに見えるが、実はこれら、全てが折り紙製だ。信州大学理学部地質学科(現・理学科地球学コース)の卒業生・山下祐磨さん=岐阜県=が手掛ける一点物の数々で、子供たちは本物の恐竜の化石を見るように、大人たちはその緻密な出来栄えに目を見張っている。
入館して真っ先に目に飛び込むショーケースに、ステゴサウルスやプロトケラトプス、パキケファロサウルスなど6体の骨格標本が並ぶ。いずれも体長50センチ前後と実際の十数分の1程度のスケールだが、全く見劣りはしない。骨の一つ一つ、歯の一本一本まで折り紙で緻密に作り上げ、実際に忠実に組み立てており、幼少期から恐竜に魅了される作者の観察や研究のたまものという。
信大理学部で山下さんの後輩だった同館学芸員の塙東子さん(26)が提案し、昨年6月に展示を始めた。信大自然科学館にあった山下さんの作品を借りて化石館に並べたところ、来館者に大人気だったという。そこで1月に展示を入れ替え、新たな6体がお目見えした。
子供が憧れる化石の代表格といえば恐竜だが、恐竜がいた時代よりも5000万年ほど新しいシガマッコウクジラの化石などを展示する四賀化石館に恐竜の化石はない。塙さんは「出迎える折り紙の骨格標本で太古に興味を抱き、館内全体を楽しんでほしい」と話している。
3月は月曜休館で観覧料が必要。4月以降は入館無料で火曜休館になる。