梓川の市道30キロ規制導入 抜け道利用多い岩岡旧道 地元は状況の改善期待

松本市の梓川に架かる中央橋西側で抜け道からの横入りによる朝の渋滞が常態化している問題で、抜け道の一つとなっている市道(通称・岩岡旧道)に2月20日、速度制限を時速30キロとする規制が導入された。岩岡旧道は道路幅が狭い上、抜け道利用の時間帯が梓川小学校の登校時間と重なり安全が脅かされてきただけに、地元町会は状況の改善を期待している。
岩岡旧道は県道松本環状高家線から、中央橋西側の交差点付近に至る約740メートル区間=地図=で、これまでは規制がなく制限速度は法定の60キロだった。平日は中央橋で渋滞が発生する午前7時20分ころから車が増えて危険なため、地元の小学生はかなり早い時間に集団登校している。
こうした状況から氷室第一町会や岩岡町会など関係5町会と学校などが昨年5月、岩岡旧道の周辺地域全体で速度規制を行う「ゾーン30プラス」に設定する要望書を、松本警察署と松本市に提出した。ただ、「ゾーン30プラス」を導入するには広範囲での詳細な調査や計画策定が必要で、実施に数年を要する可能性があり、危険性が高い岩岡旧道に絞って速度規制を行うことになった。
複数の町会が問題意識を共有し、松本署、市と協議を重ねて要望書を作成、提出し課題解決を図った好例だ。市は相談を受けて昨年3月、いち早く通学路の安全を図るために路肩に色づけするグリーンベルトも設置した。氷室第一町会の滝澤安俊町会長は「行政が地区の安全のために柔軟に対応してくれて、非常に早く対策が実現した」と感謝し、ドライバーに安全運転を求めている。
時速30キロの規制の標識が設置された岩岡旧道