連載・特集

2025.3.20 みすず野

 塩化ビニール製で、片面に約分の録音ができるLPレコードは昭和26(1951)年3月20日、初めて日本コロムビアから発売された。それにちなんできょうは 「LPレコードの日」なのだそうだ。近年、CDを上回る人気だといわれる◆東京・吉祥寺で長くジャズ喫茶を開き、ジャズやオーディオの雑誌に執筆を続けている寺島靖国さんは「LPは音がいい、という人がいます。音なら断然、CDのほうがいいです」といい、CDとLPの聞き比べをする◆参加した寺島さん以外の二人はLPに軍配を上げた。「圧倒的な解像度の鮮烈さ、豊満さがLPに出ていた」と分析して、使用したオーディオがその魅力を引き出したのだろうとふみながら「私、白旗を上げるしかなかったです」とかぶとを脱ぐ(『JAZZ健康法入門』音楽之友社)◆LPの誕生で、収録時間が長くなり、クラシックなど長時間演奏のレコード化が可能になった。紙のジャケットがCDに比べて大きいこともその魅力。音の違いがわかるような立派な機器は持っていないが、それでも十分楽しめる。アナログ製品は、ぬくもりのような何かを醸し出してくれる。