県警4コマ漫画コンクール・小学生以下の部 英さつきさんが金賞 万引防止作品で

少年問題をテーマにした県警主催の4コマ漫画コンクールで、今月に安曇野市穂高北小学校を卒業した英(はなぶさ)さつきさん(12)=穂高有明=が制作した万引防止の作品が、小学生以下の部で最高位の金賞に輝いた。盗みに手を染める瀬戸際の少女が、善と悪の間で揺れ動く心情を巧みに表現した。
作品名は「小さな一個」。緊張しながら何かに手を伸ばす少女に、もう一人の自分が「ねえ、それってさ、犯罪だよね?」と語り掛ける。不意に弱みを突かれ、気まずそうな表情の少女。あえて店内の背景などは省き、髪色を白と黒で使い分けることで善と悪の心の「対話」を強調した。
「小さな『一個』は、大きな犯罪です」という対照的な締めくくりがこだわりだ。「小さいと思っていることが本当は重い、ということが身近にもある」と英さんは話す。ノートに10種類ほどの案を描いてアイデアや構成を練り、数日で下描きを考えたという。
同部門には昨年11~12月に県内各地から188点の応募があり、英さんの作品は審査員から「メッセージがストレートに伝わる」と最高評価を受けた。受賞の知らせを受け「泣きそうなくらいうれしかった」と言う。
低学年の頃から絵を描くのが好きで、休み時間に友人と楽しんだ。前年度の4コマ漫画コンクールでは、いじめ防止の作品で銅賞を獲得。卒業文集では、在籍するクラスの表紙イラストを担当した。
本年度の受賞作品をまとめて掲載したカレンダーが各所に配られる。英さんは、悪事を謀ろうとする人に「自身のどこかに『良くないんじゃないか』という気持ちが絶対あると思う。それを大事にしてやめてほしい」と話している。