政治・経済

豊科田沢の市営住宅アルプス団地 本年度に解体完了へ 老朽化で 跡地利用は未定

更地となった市営住宅アルプス団地の敷地

  安曇野市が令和4年度から進めてきた市営住宅アルプス団地(豊科田沢)の解体が本年度で完了する。昭和40年代、工場誘致を進める旧豊科町が住宅供給のため平屋20棟・76戸を建設し、ピーク時は満室だったが、建物の老朽化を受け、隣地に建て替えた県営住宅に受け皿を集約した。1・1ヘクタールの跡地の利用は決まっていない。
 

 田沢橋南西の犀川左岸に広がるアルプス団地の一角、市住が軒を連ねていた一帯は2憶3000万円かけて解体され、すでに更地になっている。来年度に測量をした後、用途廃止となる。
 建設当初は高度経済成長期で住宅需要は高かった。結婚間もない若い家族が多く入居し、資金をためて同じ団地内などに戸建て住宅を新築するケースが多かったという。
 しかし、建物は老朽化し、町は平成16(2004)年度に入居募集を停止。その後、県と市の協働事業で隣接する県住5棟を平成28~令和5年度に順次建て替え、市住利用者は優先的に移転した。県住は将来、市に移管される。
 市住、県住の環境変化で、地元アルプス区を取り巻く状況は変化している。市住跡地の利用についても、百瀬陽子区長(67)は「長く放っておかれて草だらけになっても困る。なるべく早く決めてほしい」と話す。
 合併した当初には17団地・459戸あった市住は、統合整理により現在13団地の285戸となっており、将来は250戸程度にする方針。
 一方、利用者層の比重はファミリーから一人暮らしの高齢者などの単身世帯に移っているため、建築住宅課は「住宅ニーズに合わせた改修で入居者の門戸を広げたい」とし、単身世帯向けのリノベーションを穂高、柏原両団地で計画している。