昨年の松本広域消防 救急搬送者が初の2万人超 高齢者が7割弱
松本広域消防局管内(3市5村)で昨年1年間に救急搬送された人の数が、平成5(1993)年の同局発足以来初めて2万人を超え、前年比2.1%増の2万115人に上った。搬送された人のうち65歳以上の高齢者は1万3426人(前年比4.7%増)で、全体の66.7%を占めており、高齢化の進展を反映した形だ。
同局が1月28日に発表した昨年の救急出動概要などで明らかになった。救急搬送者数の推移は、救急隊の数があまり変わっていない中、新型コロナウイルス禍の期間を除いて右肩上がりに増えている。平成5年は7510人だったが、平成11年に1万人を超え、年々微増している。搬送者数の高齢者の割合については、平成18年ころは約半数だったが、令和元年以降は約3分の2を占めるようになっている。
搬送者数を傷病程度別にみると、腹痛や頭痛などの入院を要しない「軽症」が47.7%、骨折などの入院3週間未満の「中等症」が46.8%で、合わせて全体の94.5%を占めた。
同局は救急車の適切な利用を求めており、救急車を呼ぶか迷うときは、オペレーターである看護師などに判断を仰ぐことができる県救急安心センター「#7119」の利用を呼び掛けている。県の報告では、「#7119」の利用は全県で月に約1000件あり、うち約7割は出動の必要がなかったという。