塩尻洗馬の近代 鮮やかに再現 白黒写真をカラー化・展示した企画展 本洗馬歴史の里資料館で

塩尻市洗馬の明治、大正、昭和の時代の産業や人々の暮らしぶりなどが写った白黒写真を、AI(人工知能)技術を使ってカラー化した写真の展示会が、地元の本洗馬歴史の里資料館で開かれている。資料館指導員の翠川博さん(68)が、住民たちが資料館に寄せた昔の写真に色彩を加えることで「より当時の様子がリアルに分かる」とパソコンを使って加工した。
木製の「はね橋」構造だった明治時代の琵琶橋や、山から木材を切り出して馬で運ぶ人たち、昭和の時代に盛んだった養蚕業や、洗馬小学校の子供たちの農作業の様子などの写真52点を展示している。建物も風景も人々も色付けされることで臨場感があり、生き生きとしているように見える。
AIによる着色は事実と異なるため、翠川さんは住民の記憶を基に補正して精度を高めている。昭和の時代に釜井庵の横にあった大木を、AIはイチョウと認識して黄色くしたが、住民から「桜が植わっていた」と聞き、淡いピンクに直した。
翠川さんは「写真から動画を作ったり、他の地域の古い写真もカラー化したりできたら」と話している。企画展「AIでよみがえる古写真展」と銘打ち、3月16日までの金、土、日曜日と祝日の午前10時~午後5時に開催。入館料は大人150円、中学生以下無料。問い合わせは同資料館(電話0263・54・5520)へ。