連載・特集

2025.2.8 みすず野

 採用されたときの感激が、次の原稿を書く原動力という。松本市笹賀の主婦・三村富美江さんが、85歳にして2冊目の本を自費出版した。弊紙の読者投稿欄に採用された120編の記事が収まる。令和元年の1冊目の出版時、85歳まで元気に投稿が続けられていたら、また1冊にまとめようと決めていて、実現させた◆原稿を書くときの必需品の一つに辞書を挙げる。「使い過ぎてボロボロなのよ」。分からないことは、おっくうがらずに引く│。三村さん自身の心掛けを話してくれているだけなのだ。なのに、諭されている気持ちになった。人生の先輩の信条に、自らを省みる◆テレビの教養番組やクイズ番組を見て、勉強するのも大切だと教わる。「ただ、見ているだけではダメ。興味を持ったことを紙に書いておくのが大事だ」とも。次々に出てくるバイタリティーあふれる話に、おのずと元気をもらった◆三村さんの話は、文章を書いたり、人に伝えたりする楽しさを思い出させてくれるものでもあった。三村さんに限らず、人生の先輩の投稿文は貴重な体験が述べられ、含蓄があり、勉強になる。引き続き健筆を振るってください。