塩尻発の水田除草ロボが全国最優秀賞 内閣官房主催「イチBizアワード」で

農業ベンチャー・ハタケホットケ(塩尻市大門八番町)が、内閣官房が主催する地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「2024年度イチBizアワード」で最優秀賞を受賞した。自動運転で水田の雑草を抑える同社のロボット「ミズニゴール」が高い評価を得た。
地理空間情報は、道路の混雑、地面の起伏といった特定の時間・場所の空間情報を指す。コンテストはそれらを生かした価値創出を目指して内閣官房などが3年前から実施している。本年度は全国の研究機関や企業から医療、防災、交通などさまざまな分野の課題を解決するアイデアが寄せられ、入賞にノミネート(1次選考通過)された約40件の中から最優秀賞に選ばれた。
ハタケホットケが開発した「ミズニゴール」は、車輪で走行しながら水を濁らせることで、水田雑草の光合成を抑制してその成長をさまたげる。3年前から改良を重ねながら量産を目指してきた。今年生産者に提供する新モデルは、地理空間情報を活用した自動運転システムを本格導入した。
農薬の使用を抑える、もしくは使用しない環境負荷軽減型の稲作は、除草に大きな労力が掛かる点が耕作面積拡大のボトルネックとなっていた。ミズニゴールは人力でチェーンを引く従来の除草法に比べ、作業時間を15分の1に短縮できる。慣行農法からの切り替えを目指す全国各地の比較的規模の大きな生産者から引き合いが増えているという。
ハタケホットケの日吉有為代表は「(最優秀賞は)励みになる。栽培方法を自動化、資源循環型にすることで日本の農業の持続可能性を高めたい」と話している。