2025.2.5 みすず野
「金縷梅」と書く、と歳時記にある。マンサクだ。昨日の紙面に花の写真が載っていた。俳句では春の季語。花の黄色が、春のぬくもりを伝えるようで、しばらく見入った◆写真は塩尻市の小坂田公園で撮影されている。何回か取材に足を運んだ。雪が積もればほとんど歩く人もいないような場所。長靴に履き替えて行くと、遠くから黄色い小さなものが目に入る。近づいて花を確かめ、写真を撮り始めると知らぬ間に笑顔になっていて、誰もいないのに何となく恥ずかしかった◆冬景色の中で咲く花は、不思議な力を持っているようだった。季節が春で、周囲の木々がさまざまな花を付けるような中で見れば、おそらくほとんど目立たないだろう。それほど小さくて地味だが、木の周囲が温かい空気に包まれているかのようにも見えた◆黄色い花の中で、福寿草の話題が今年は少ないような。「投稿フォトプラザ」でもほとんど見かけない。日当たりのいい場所では、とっくに咲いていて不思議ではない。これから一斉に花を開くのだろうか。信じられないような嫌なニュースが、次々に報じられる日々。小さな花の写真にほっと一息つく。