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遮断機壊さないで! 塩尻市内でさお折る事故2件  警察が交通ルール順守呼び掛け

長者原踏切付近で事故防止を呼び掛ける署員(1月31日)

 塩尻市内の踏切で1月、警報音が鳴っているにもかかわらず車が侵入し、遮断機のさおを折る事故が2件発生した。塩尻警察署によると、事故を起こしたそれぞれの運転手は音にも点滅の光にも「ぼーっとしていて気付かなかった」という。2件ともけが人はいなかったが、列車が緊急停止して運行に遅れが出た。同署は、踏切事故は列車の運行や多くの乗員・乗客に影響を及ぼすとして、交通ルールの順守を呼び掛けている。

 1件目は7日、広丘吉田のJR篠ノ井線長者原踏切で発生した。降りてきたさおを折った車は現場を走り去ったが、塩尻署が目撃情報などから車両を特定した。大型貨物車で、運転手の男性は調べに、さおが荷台に引っ掛かって壊れたことに気付かなかったと話したという。
 2件目は、27日に広丘野村のJR篠ノ井線広丘駅南踏切で起きた。さおを折ったトラック運転手の男性は「降りてくるさおが視界の中に入ってきて『あっ』と思った」が衝突して横断した。
 市内での遮断棹の衝突事故は昨年はゼロだった。1カ月で2件も起きたことを受け、塩尻署は1月31日朝、長者原踏切付近で事故防止の啓発活動を行った。「警報機が鳴ったら踏切内に入らないで!」などと書かれたチラシをドライバーに手渡し、「いつも気を付けていると思うが、もう一度ルールを確認して」と呼び掛けた。
 同署によると、遮断機で線路内に閉じ込められた場合は落ち着いてゆっくりと車を前進させ、さおを押して出る。エンジントラブルがある場合は、車から降りて非常ボタンを押す。踏切事故は刑法の過失往来危険罪や、道路交通法の遮断踏切立ち入り違反、踏切不停止違反に当たる可能性がある。上林浩交通課長は「踏切の前でしっかり止まって、車の窓を開けて目と耳で安全を確認してほしい」と求めている。