2025.2.15 みすず野
寒い時期の楽しみの一つに温泉がある。お湯を満々とたたえた、大きな湯船に身を沈めると思わず頬が緩み、長い息が漏れる。凍えて凝り固まった体だけでなく、心まで解きほぐされる◆中信地方には多様な日帰り温泉施設がある。温泉宿も外湯を結構受け入れてくれている。温泉の効用や建物の雰囲気もそれぞれで、好みや気分で出掛ける施設を選ぶ。秘湯の気分を味わいたいと、松本市内なら白骨温泉を思い浮かべる人が多いのでは。特徴の白濁の湯も魅力◆白骨温泉の湯は、地下から出てきた直後はほぼ透明という。時間の経過とともに淡い緑色を帯びた乳白色に変化するそうだ。『信州の絶景はどのようにできたのか』(しなのき書房)に信州大学名誉教授の塚原弘昭さんが記す。「硫黄の微粒子と石灰石の微粒子が温泉水中で浮遊するため」乳白色になるとも教わる◆白骨温泉には、国特別天然記念物の噴湯丘もある。地下の温泉水中で微粒子となった石灰石が関係して大昔にできたものだ。市が令和5年に観察デッキや観察路を完成させ、近くで見られるが、残念ながら冬は雪に埋もれている。こちらを見るのは雪解けを待とう。