政治・経済

松本駅前の再整備検討すぐに 中心街再設計検討会議 市長への提言案まとめる

提言案をまとめた検討会議

 松本市の松本駅周辺から松本城にかけての「中核エリア」の将来像を検討する臥雲義尚市長の諮問機関「中心市街地再設計検討会議」は14日、松本商工会館で最終回となる4回目の会合を開き、駅周辺の再整備に向けた公民連携の協議や、駅東地区を中心とした建物の高さ制限の緩和の検討に1年以内に着手することを盛った提言案をまとめた。3月24日に臥雲市長に提出する。

 三つのコンセプトと五つの指針の中に▽幹線道路の機能強化と歩行者優先とする道路を明確化する「ウオーカブル」なまちづくり▽駅前再開発を含めたパブリックスペースのデザイン▽駅前広場とバスターミナル周辺の再設計▽駅東地区への民間投資の誘導―などを盛り込んだ。実現に向け、各取り組みをつなぎ、進行管理する公民学連携の仕組みづくりを求めた。
 各施策の実現に向けて、短期(7年度まで)、中期(9年度まで)、長期(16年度まで)に分けたスケジュール案を示した。3年以内に駅前再整備に向けた事業に着手し、駅東地区での民間開発も始める計画とした。10年以内には中核エリア、特に駅東地区に公共の複合施設も一つの案として都市施設を整備するとした。
 委員からは「スピード感を持って具体化していくことが必要」「民間投資を生む方法を考えなければならない」などの意見が出された。山本達也座長代理=清泉女子大教授=は「スピード感に対してはクリティカル(深刻)な意見もあった。きちんと伝わる表現にしたい」と話した。今後、会議で出された意見を基に調整し、臥雲市長に提言する。
 検討会議は松本商工会議所、アルピコ交通、JR東日本長野支社、松本観光コンベンション協会の各代表、公共政策や都市デザインなどの有識者、駅周辺で事業を営む若手経営者らが委員を務めた。