政治・経済

松本市が多事争論会再開へ まずは子育て議題に

令和4年11月に信州大学で開催された多事争論会。この回は「地域交通」「居場所」をテーマに語り合った

 松本市の臥雲義尚市長と市民が市政課題のテーマを話し合う「多事争論会」が11月末、2年ぶりに開催される。臥雲市政2期目では初となり、テーマを「子育て」に設定した。市長は「市民の教育・子育てへの関心が高く、政策を推し進めていくために市民と語り合いたい」と意欲を語る。

 多事争論会は臥雲市長肝いりの広聴事業として1期目の令和2年9月に始まり、4年11月まで10回開催された。テーマを決めて話し合い、「お城周辺のまちづくりビジョン」「次代につなぐアルプス公園」などを議題としてきた。
 ただ、令和4年5月から市内35地区を巡回する別の広聴事業「市長と住民の『こんだん会』」が始まったことで、両立する機会が整わなかった。テーマと異なる発言をする参加者もいたため、開催の在り方を検討する必要に迫られた。
 市は本年度、会場で多くの人と語り合う広聴事業を「地区別」、「テーマ別」、「若者」の三つに整理した。地区別開催の「こんだん会」は「ジモトで座談会」にリニューアルし、テーマ別の多事争論会はそのまま継続とした。高校生から20代までの市内で活動しているグループを対象とした「若者ブレスト」を新たに開催する予定で、広聴事業の充実を図った。
 多事争論会は30日午後2時から、市勤労者福祉センター(中央4)で開く。臥雲市長は10月30日の定例記者会見で、市が来年から18歳以下の医療費の窓口負担を無料化することなどに触れ、「市の取り組みを市民はどのように受け止めているのか、市民の意見をどう施策に反映させていくかを探る機会としたい」と述べた。