県内学生の信州での就職後押し 企業訪問の交通費支給

学生の県内での就職を推進・支援する信州学生U・Iターンプロジェクト「0円バス」が3日、安曇野・大町地区で初めて開催された。主催者が交通費を実質負担する事業で、今年で3年目となる。学生20人が安曇野、大町両市内の企業3社を見学し、社員と仕事内容や福利厚生などについて意見を交わした。
就業支援を手掛けるゼネラルキャリアサービス(東京)が主催し、今年は県内で6回実施する。今回は信州大学と松本大学の理系の学生が参加し、長野市と上田市からバス・タクシーを運行して、松本駅前経由で企業を訪問した。
安曇野市穂高北穂高の空調機器製造・デンソーエアクールでは、同社の担当者が「バスのエアコンの国内シェアは99%」「新卒採用者の3年以内離職率は昨年度は0%だった」と説明した。
実際に工場を見学した後、若手社員と懇談した。「入社前後で会社の印象は変わったか」という学生の質問に対し、社員は「想像以上に助け合い、協力して仕事をするマインドがある」と語っていた。
佐久市出身で信大理学部2年生の木内麻衣さん(19)は「働きやすさの実現へ、いろいろなプランがあることが分かった。社員の方と話ができ、就活の参考になった」と話していた。続いて大町市の信越電装、安曇野市のちくま精機も訪問した。
当初は首都圏―県内を結ぶ無料バスを運行し、企業訪問を組み合わせていた。現在は対象を広げるために、交通費として1万5000円を上限に電子マネーで支給している。