松本出身 ジャーナリスト・池上彰さん 信大で集中講義

松本市旭3の信州大学経法学部で26日、同市出身のジャーナリストで経法学部特任教授の池上彰さん(74)による夏季集中講義が始まった。5日間の日程で、「現代史基礎」として同学部を中心に1~4年生が受講している。
最初の講義は「敗戦」をテーマに、唯一の戦争被爆国でありながら平和利用を掲げて推進してきた原子力政策や、東日本大震災での原発事故について因果関係を示しながら解説した。原発は自前の技術でないため事故に十分対処できなかったとし、日本企業の利益を重視した導入や、津波を警戒する声があっても対策しなかったことなど「日本の経済・産業の問題点が凝縮されている。原発事故は日本の第2の敗戦」と述べた。
経法学部3年・東谷宙樹さん(20)は「個々の事象としてぼんやり知っていることをまとめて解説してくれるので、理解しやすい」と話していた。
池上さんの集中講義は16年目で、日本史と世界史を隔年で取り上げている。