政治・経済

噴火想定の避難訓練 登山者も参加 木曽町が御嶽山で

訓練で、神社職員(左手前)の誘導に従い、山頂・剣ケ峰の祈祷所に避難する登山者(10日午前11時40分すぎ)

 木曽町は10日、御嶽山(3067メートル)の山頂部に設けたシェルター(避難壕)や防災無線などを使った登山者参加型の避難訓練を行った。死者・行方不明者63人を出した平成26(2014)年9月の噴火災害と同規模の噴火を想定した。

 3年目の取り組みで、昨年に引き続き、山頂剣ケ峰の御嶽神社頂上奥社祈祷所も使用した。午前11時40分、防災無線のスピーカーからサイレンが鳴り響くと、神社職員が「こちらに避難を」と誘導。登山者18人が逃げ込んだ。山頂直下のコンクリート製のシェルター3基には5人が身を寄せた。
 町はこの日の朝、噴火発生時の避難行動に関する「指示書」を登山口で事前に配布した。「近くに避難施設がなければ、その場で伏せたりリュックサックで身も守ることも、すぐできる避難行動」などと呼び掛ける内容だった。
 噴火時には噴石の飛来が想定される黒沢口登山道の9合目上で訓練に参加した会社員・新美鉄治さん(44)=岐阜県瑞穂市=は「岩の近くにしゃがんだ。噴火時の様子を想像することはできたと思う」と語った。
 9合目上~山頂手前の登山道を中心に6カ所で訓練中の様子を動画で撮影。下山後に取った登山者のアンケートと共に今後分析する。訓練と連携して、衛星利用測位システムを利用した位置情報記録機器48台を登山者に配り、避難行動調査も実施した。