政治・経済

松本市の昨年度市税収納率は98.70% 上昇続く 着実な滞納整理が奏功

 松本市は11日までに、昨年度の市税の収納状況をまとめた。現年度分、滞納繰越分を合わせた収納額は383億1755万円で、調定額に対する割合(収納率)は前年度比0・03ポイント高い98・70%で14年連続で上昇した。県内19市中9番目に高い。財産の調査や差し押さえなどの滞納整理、キャッシュレス納付の導入などで状況は上向いている。

 現年度分は99・43%(前年度比0・06ポイント低)と、7年連続で99%台を維持している。滞繰分は38・07%(同1・55ポイント高)で、新型コロナウイルス禍での納税猶予の影響で急上昇した令和3年度(46・65%)を除けば、記録が残る平成3(1991)年度以降で最も高くなった。
 滞納整理を進めて収入未済額は毎年縮減している。令和2年度に未納者へのメールでの催告を開始し、翌年度にはクレジットカードやスマホアプリでの決済を導入。納税課は「納付の機会を増やし、税の公平性の観点から滞納者に適切な対応をしている。その成果が表れている」とみる。
 国民健康保険税の収納額は45億2932万円。収納率は現年度分が94・03%(同0・02ポイント高)とほぼ横ばい、滞繰分は財産の調査や差し押さえを進めて22・34%(同1・61ポイント高)と4年連続で上昇したが、県内19市では最低となっている。本年度、業務を保険課から納税課に移管した。
 市納税課は「物価高などで大変な中で期限までの納付をお願いしている。厳しい事情がある場合には早めに相談してほしい」と呼び掛けている。