政治・経済

落合橋歩道橋 近く完成 国道19号松本拡幅

はしごを横倒しにしたような景観が特徴の落合橋側道歩道橋

 松本市を南北に貫く幹線道路・国道19号の渚から宮渕本村までの1・6キロ区間を4車線に拡幅する事業「松本拡幅」で、白板交差点近くで工事が進められていた落合橋側道歩道橋(62・3メートル)が、今月中に完成する見通しとなった。国内では極めて珍しい「フィーレンディール橋」で、はしごを横倒ししたような景観が目を引いている。

 5日に松本市のMウイングで開いた建設促進連絡協議会(会長・中田景文市町会連合会会長)で、長野国道事務所(長野市)の小田川豊所長が事業全体の進ちょく状況を報告する中で明らかにした。歩道橋の工事が始まったのは4年10月で、昨年10月に下部工事が完成して以降、上部の工事を進めていた。前後の歩道が完成していないため供用開始時期は未定となっている。
 フィーレンディール橋は橋脚がなく、はしごのように見える「上弦材」で全体を支えている。近年では周囲の景観との調和が重視される場面で採用されることが多いという。
 松本拡幅事業全体の用地買収の進ちょく率は昨年度末で62%。本年度は落合橋の下部工事と、全4工区のうち渚3交差点から北へ1・28キロの第1~3工区の用地買収などを進める計画で、事業費は11億円になる。
 松本拡幅は平成10(1998)年度に事業化され、17年度に用地買収に着手した。拡幅部は30メートル、立体部分の幅は32~46メートルで、慢性的な市街地の渋滞緩和を目指す。全体の事業費は約180億円となっている。
 総会では、用地取得が進んだ渚~白板区間の早期4車線化や重点的な予算配分を求める要望書を出席した国会議員らに提出した。8月に中央要望も行う。