生坂村下生野の犀川右岸 堤防新設工事が起工

生坂村下生野の犀川右岸に新たに堤防を建設する工事の起工式が30日、村南部交流センターで開かれた。U字状に大きく蛇行している箇所の内側に全長約800メートルの堤防を建設する工事で、多くの関係者が出席して無事の完成を願った。
睦橋から日野橋にかけての犀川右岸には堤防がなく、平成18(2006)年7月の大雨の際には上流ダム群の特例操作によって浸水被害を回避した経緯がある。同村と松本市、安曇野市でつくる犀川直轄改修期成同盟会が堤防の建設を要望していた。
国土交通省千曲川河川事務所によると、新設の堤防は高さ約8メートル、幅約40メートルで、既存の護岸(蛇籠)の最上部より6メートル高くなる。これにより地区内で想定されている浸水被害(床上12戸)の発生を防ぐ。完成時期、総工費は未定となっている。
起工式には村関係者と県選出の国会議員ら多くの来賓が参加した。期成同盟会会長の臥雲義尚松本市長は関係者の尽力に感謝し「共同して流域治水に取り組む必要がある」とあいさつした。藤澤泰彦村長は「令和2年7月と3年8月の豪雨の際には下生野地区に避難指示を出した。堤防が計画通り着実に整備されることを願う」と述べた。
村内では令和2年度に下生野の上流部の小立野地区(犀川右岸)に堤防が完成した。