連載・特集

2024.7.13 みすず野

 強い姉妹愛を感じた。松本市の山辺中学校1年の遠藤茜音さん。スポーツ少年団に入って少林寺拳法の鍛錬を積んでいる。今月に松本市内で開かれた全国大会の県代表選考会に出場した。山辺小学校5年でダウン症の妹・梓沙さん(10)と組演武を発表し、見事に全国大会の切符を手にした◆発表前、淡々としているように見えた。それは、のちに見えていただけだと分かる。発表後、感想を尋ねているうちに緊張がほどけていったのだろう。目から涙があふれた。妹をうまくリードして演武しようとしていたプレッシャーの大きさに、気付かされた。「思っていた以上に妹が頑張ってくれてよかった」。感想に妹のことをどれほど心配していたかがにじんだ◆両親が姉妹の晴れ舞台の応援に駆けつけていた。娘たちを大きな舞台に送り出すのに、不安や心配もあったに違いない。2人の演武をしっかり見守り、発表後には優しくねぎらっていた◆茜音さんの持って生まれたものもあるのだろうが、両親の育て方もきっといいのだろう。11月に開かれる全国大会で、きっとまた強い姉妹愛で、さらに磨きのかかった演武を見せてくれるはずだ。