地域の話題

ハーブ栽培で地域おこし エルダー(西洋ニワトコ) 塩尻の市民団体

エルダーフラワーの採取作業をするメンバーたち

 塩尻市を拠点にする市民有志団体・塩尻エルダーの会(丸山寿子代表、12人)は、西洋ハーブ・エルダー(和名・西洋ニワトコ)の花の栽培や加工、活用研究に取り組んでいる。初夏に見られる薬用植物を通じて地域貢献を探り、地元の加工所や障害者施設と連携し商品化も進めている。

 17日に会員ら約10人が片丘北熊井の県道そばの畑で、白い小花を直径約20センチの円形房型に咲かせた高さ約2.5~3メートルの木から、花約3キロを摘み取った。
 採取した花は広丘野村の就労支援事業所すみれの丘で茎を処理し、農産加工の矢沢加工所(下西条)に運ばれた。花の処理は鮮度が命で、砂糖やレモンと北小野の地下水を使って漬け込むシロップにしている。国産の生花を使ったものは国内ではほぼ流通していないという。
 花は5月末~6月末に咲く。発汗作用があり英国では民間薬として使われ、映画や小説で人気の『ハリーポッター』に魔法のつえとして登場するなど英国ではなじみ深い。さわやかなマスカットのような上品な香りが特徴だ。
 同会は、若者や女性支援に長年取り組む県議会議員の丸山代表(65)と農産加工や商品開発が得意な都筑裕子さん(67)=宗賀=が中心になり、令和3年3月に有志6人で発足させた。先行して元年秋には、丸山代表がエルダーを知るきっかけになった長野市の若者支援施設を経由して取り寄せた苗木1本を植え、約1000平方メートルの畑で20本にまで増やした。
 シロップ瓶のラベル絵には、会員と面識のある英国在住のフードライター・山口ももさんが協力した。製造販売する矢沢加工所によると、7月に今季収穫分の約5キロから160ミリリットル入りが約500本できる見通し。エルダーの会の都筑さんは「農福連携ができ、地域のブランドが生まれ発信できれば」と語る。