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天国の小澤さんへ感謝の歌声 市民合唱団メンバーら献花台前で追悼

小澤さんの献花台に響かせた追悼合唱

 天国の小澤さんに届けよう―。6日に88歳で亡くなった世界的指揮者・小澤征爾さんとかつて松本の音楽祭で同じ舞台に立った市民合唱団のメンバーらが12日、松本市音楽文化ホールの献花台前で追悼の歌声を響かせた。前日に急きょ決まった計画にもかかわらず大勢の関係者が集まり、思い出を胸に感謝の気持ちを表した。

 小澤さんが総監督を務めてきた国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)や前身のサイトウ・キネン・フェスティバル松本(SKF)では、「千人合唱」をはじめ市民が歌で小澤さんやオーケストラと共演してきた。そうしたメンバーが多く参加し、プロとオペラを上演する「まつもと市民オペラ」の合唱団が提案。音楽祭に関連するSK松本合唱団にも声を掛けた。
 市民オペラのレパートリーから「陽気なレクイエム」、小澤さんや音楽祭と関わりが深い故・武満徹さんの「小さな空」などを合唱。同日、ホールで定期演奏会を行った信州大学の男声合唱団も加わった。音楽祭で長く合唱指導する県合唱連盟理事長の中村雅夫さん(64)=松川村=が指揮し、それぞれ情感豊かに歌い上げた。
 「千人合唱」などに出演した伊藤まゆみさん=松本市県=は「小澤さんが松本で(音楽祭を)つくり上げてくださったおかげで、いろいろな形で歌えている。これからも皆で歌いつないでいきたい」と涙ながらに話した。中村さんは「これだけの人が集まったのは、それだけ小澤先生に感謝を表したかったということ」としのんだ。