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無償で送迎サービス25年 塩尻のボランティア、担い手募集

自家用車を使った無償の送迎ボランティアに取り組む協力会員たち

 移動が困難な高齢者や障害者の通院や買い物を支えようと、塩尻市内で市民らが25年以上、ボランティアで送迎サービスに励んでいる。運転を担う「協力会員」は自家用車を使って送り迎えし、サービスを活用する「利用会員」の外出を援助している。ただ、協力会員の減少が課題で、担い手を募っている。

 送迎サービスは利用、協力の両会員が登録している。市社会福祉協議会が窓口となり、予約確認やマッチングを行っている。利用会員は経済的に困っており、公共交通機関の利用が難しい人などが対象で、ガソリン代の実費のみを支払う。送迎範囲は原則として市内。利用会員は現在、53人が登録し、このうち20人ほどが活用している。
 市社協によると、サービスは平成7(1995)年に開始。協力会員でつくる送迎サービス会の小池典子会長は20年以上奉仕活動を続ける。友人が地道に取り組む姿を広報で知り「私もできるかも」と始めた。利用会員からの「本当に助かる」「近い場所でも送迎してくれる」などの喜びの声がやりがいだ。
 協力会員は21人が登録するが実際に活動するのは7人ほど。高齢で運転に自信がなくなったことなどを理由に活動を控える人が多いという。需要はあっても対応が難しく、これまで毎月1人3往復まで利用可能だったが、今年からは2往復にせざるを得なくなった。
 このほど開かれたサービス会の総会では、人脈を生かして声掛けをしたり、そばを打って味わう交流会を企画したりして協力会員を増やそうとの意見が出た。協力会員は自家用車で活動でき、運転歴が5年以上などの人であればなれる。小池会長は「やってみたいという人はぜひ社協に連絡を」と呼び掛ける。問い合わせは市社協の地域福祉推進センター(電話0263・52・2795)へ。