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松本広域消防の消防士・神林興生さん 消防職員意見発表会の県大会出場へ

賞状を手に笑顔を見せる神林さん

 松本広域消防局の渚消防署(松本市渚1)に勤務する消防士・神林興生さん(27)がこのほど、同局の消防職員意見発表会で最優秀賞を受賞し、7日に飯田市で開かれる県大会に出場する。警察官から消防士に転身し、前職の経験から思いついたアイデアを、高齢者の火災予防に生かそうと提言する。

 神林さんは「火災から高齢者を救うために」と題して発表した。消防学校に通っていた令和3年、松本市内の妻の実家近くで住宅火災が発生し、1人暮らしの高齢者が亡くなったのをきっかけに、高齢者の火災予防について考えるようになった。そこで思い出したのが、警察官時代の特殊詐欺防止の啓発だった。年金支給日の金融機関は朝早くから多くの高齢者が押しかけるため、警察はこの日に啓発をする。神林さんは「高齢者に効果的に注意喚起できる絶好の機会」と考え、消防も年金支給日に金融機関へ出向き、火災予防のためのチェック項目を記載したカードを配ることを提案した。
 現在、局内で提案を実現するための検討が進んでいるという。神林さんは「最優秀賞を取れると思わず、びっくり」と恐縮したが、「県大会では聞く人に響くよう発表したい」と意気込んでいた。
 同局の意見発表会には局内12消防署から若手職員が1人ずつ選出され、消防業務や防火に関する意見を提案し、降幡明生消防局長ら9人が審査した。