安曇野市内の児童遊園 遊具の半数が使用禁止に 安全基準に不適合

安曇野市は9日までに、市内に132カ所ある児童遊園(小規模な遊園地)のうち、82カ所で一部または全部の遊具を使用禁止にした。日本公園施設業協会と国土交通省の安全基準に基づいて全ての遊具342基を診断したところ、5割に当たる162基が不適合だと分かった。市は利用状況などを見極め、撤去または更新を順次進めていく考えだ。
児童遊園は公民館の敷地、緑地、神社の境内などに開設されているケースが多く、公有地に限らず市が便宜的に遊具を年1回点検している。遊具自体が古いため、誰がいつ設置したのか分からない場合も多いという。
市は遊具を使う子供の安全を確保するために昨年度、通常の「劣化診断」に加えて「基準診断」を専門業者に委託して行った。都市計画課は「全国で事故があり、遊具の安全をさらに高めたいと考えた」としている。
同協会や国交省が昨年4月に改定した遊具の安全基準だと、遊具の種類ごとに細かく基準が定めてあり、例えばブランコなら「着座部の外側から1・5メートル以上」といった「安全領域」を確保する必要がある。隙間を通り抜けようとした際に頭や胴体の挟み込みが発生しないかなど、さまざまな危険が想定されている。診断で不適合となった遊具は、滑り台やシーソー、ジャングルジム、砂場など多岐にわたっている。
使用禁止にした遊具は豊科地域が82基と最も多かった。明科地域では地域内の児童遊園にある遊具59基の6割を超える37基が不適合だった。堀金地域には児童遊園が1カ所しかなく、その遊具は基準に適合していた。
使用禁止にした遊具は黄色いテープと看板で使えないようにしている。市は撤去または更新に向け、費用の補正予算対応を検討している。子ども家庭支援課は「相談しながら残すべき遊具は更新したい」としている。