教育・子育て

楢川小中校が文科相表彰 小中一貫生かしたキャリア教育充実

文科相表彰を受けた楢川小中学校の関係者

 塩尻市の楢川小中学校(山本秀樹校長、84人)が、キャリア教育の充実発展に顕著な功績があったとして、文部科学大臣表彰を受けた。地場産業の漆塗りなど特色ある教育をはじめ、小中一貫の9年間を見通す活動を地域住民と進める点が評価された。

 令和4年度に木曽楢川小学校と楢川中学校が統合し開校、小中一貫教育を行う義務教育学校となった。教育活動は学年に応じ、地域に関心を抱いて好きになることから、現状認識や課題解決に向けた活動までを実践している。
 自然環境を生かす川遊び(1年生)や県認定の信州の伝統野菜・羽淵キウリ栽培(4年生)、児童が漆を塗った漆器を販売する模擬会社の運営(6年生)、浴衣・甚平姿で奈良井宿の観光客を案内し楽しませる「江戸ウィン」(9年生)がある。新年度に市内全域から入学可能な「小規模特認校」となることから、中学生はパンフレットや動画作成も手掛けた。
 先月に東京都内で表彰式があり、学校関係者が2日に市役所を訪ねた。二宮聡志教頭は統合前から長年積み重ねた結果だとし「地域と喜びたい」と話した。学校支援コーディネーターの重勇雄さんは「地区の皆さんの献身的な思いが重なる」と語った。百瀬敬市長は「表彰は励みになり注目されるきっかけにもなる」と述べた。
 この表彰は16回目で、全国110団体が表彰された。県内ではほかに軽井沢高校が表彰された。塩尻市内の団体が表彰されるのは2年連続となった。