松本市職員 確保・定着へ一手 採用の年齢上限一部引き上げ、転職者向けに昇格試験...

松本市は8日、本年度の職員採用試験の募集を始めた。過去最多の111人を採用した昨年度に引き続き本年度も100人超の採用を予定しており、新たな職種の追加や一部職種での年齢上限の引き上げをする。転職などセカンドキャリアの人向けの入庁後の処遇改善策も始め、人材の確保と定着の両面で施策を展開していく。
獣医師の確保が困難になっていることを受け、代わりに食品衛生業務に携わる「薬剤師」枠を新たに設ける。獣医師については、多くの人が受験できるように満50歳までだった年齢制限を満59歳に引き上げる。同様に保育士の社会人枠も満35歳から満40歳とする。保育士全体の採用予定者数は、待機児童問題などを考慮し、昨年度の20人程度から増やして25人程度とした。
昨年度の市の退職者数は71人。定年を引き上げた令和5年度を除き過去5年間は70人超で推移している。市人事課によると、退職者と採用人数のバランスを考慮すると100人ほどの採用が必要で、多くの人材を確保するため市は昨年度に引き続き本年度も年4回の採用試験を計画している。
新たに取り組むセカンドキャリアの人向けの「主任昇格試験」では、合格すると入庁から主任昇格まで7年間かかっていたところを3年間に短縮できる。他の職場で経験を積んだ人がキャリアを滞らせることなく力を発揮できるようにする仕組みだ。昨年度採用した111人のうち70人はセカンドキャリアで、庁内からも取り組みの必要性を指摘する声が上がっていた。臥雲義尚市長も8日の定例記者会見で、人口の社会増へ市へ移住する人たちへの支援策として有効とした。
今回の職員採用試験の応募期間は28日午後5時までで、1次試験は6月8日に松本大学(新村)で行う。