地域の話題

生坂のにわにわ自然養鶏が「B品」卵で焼き菓子

佐久間さんが道の駅いくさかの郷や自宅店舗で販売を始めた焼き菓子

 生坂村下生坂で国産鶏の平飼いに取り組む「にわにわ自然養鶏」代表の佐久間拓郎さん(37)が今春から、生産した卵を使った焼き菓子を自宅や地元の道の駅いくさかの郷で限定販売している。佐久間さんは村の農家や学校給食センター、加工所から出た古米、米ぬか、おから、野菜くずなどから作る発酵飼料で育った卵「きょうがくらん」と加工品が、脱炭素など地域循環型社会を目指す村らしい特産の一つとなればと願う。

 焼き菓子は、自宅周辺の庭や畑で飼育する国産鶏「岡崎おうはん」と「あずさ」70~80羽が産んだ、形が小さかったりいびつだったりする「B品」卵の有効活用策だ。昨年、イベント出店向けに開発したプリン、ビスコッティ、メレンゲ、レモンケーキのうちプリンを除く3品を店舗販売(税込み価格410~510円)し始めた。
 製造は安曇野市三郷小倉の菓子工房スタジオサンボに委託。ラッピングシールは「将来、夫婦で絵本を作ろう」と誓い合うデザイナーの妻・由輝子さん(42)のイラストと、佐久間さんの文章による合作で仕上げた。
 養鶏は、平成29(2017)年に県外から家族で移住した佐久間さんが独学で手法を模索しているため、菓子は月産各30個が限度だ。佐久間さんは卵・菓子の直売や定期便販売、農業体験、鶏の飼育相談など独自の取り組みと無理なく進めたいとし「自然養鶏の卵とそのお菓子がいつか『生坂村の味』の一つとして数えられればうれしい」と話す。