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市民で作ろう!裁判演劇 今秋に松本公演を計画

松本公演について語る今井さん(左)と林勇次さん

 松本市の信州松本うらまちレジリエンス協議会(林勇次会長)は今秋、法教育に取り組む都内の団体が制作した参加型裁判演劇「極刑」の松本公演を開催する。架空の強盗殺人事件の裁判を舞台上で行い、訪れた観客は抽選で裁判員になり、判決を決める役割を担う。被告人や被害者の娘などの役は事前に公募し、松本ならではの裁判演劇を作り上げていくユニークな取り組みだ。

 「極刑」は一般社団法人リーガルパーク(東京都)が昨年制作し、都内で公演した。代表で弁護士の今井秀智さん(63)=神奈川県鎌倉市=は、妻の実家の魚長鮮魚(松本市大手5)の社長も務めている。魚長ビル2階を演劇スタジオとして借りる同協議会の林会長と知り合い、公演が実現した。
 劇は、松本市内の会社に押し入り、社長夫妻を殺し現金を持って逃げた男を裁判で死刑にするか無期懲役にするかを決めるあらすじ。当日に観客から選ばれた裁判員役が実際に話し合い、刑決をくだす。
 募集する役は、被告人(男30代)、検察官と弁護士(共に40~60代)、被害者娘(女30代)、被告人母(女50~60代)で、裁判官役は今井さんら法律の専門家が務める。公演は11月16日に2回行い、会場は上土劇場(大手4)になる。希望者を対象に3月2日にオーディションを行う。
 今井さんは「松本の人に出演してもらうことで、地元発の演劇にしていきたい」と語る。林会長は「裁判を知る機会とともに演劇に親しむきっかけになれば」と願う。役の申し込みは協議会の林邦應さん(電話090・4018・0324)へ。