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児童見守り笑顔でずっと 島内の5人 故・犬飼敏一さんの思い継ぐ

登校する児童に笑顔で声を掛ける見守りクラブのメンバー

 松本市の島内小学校の通学路で毎日、島内青島町会の有志5人が、登下校時の児童の見守りを続けている。見守りを20年近く続けて一昨年10月に84歳で亡くなった「時計のおじさん」こと犬飼敏一さんの思いを、笑顔で受け継いでいる。

 7年ほど前から犬飼さんを手伝っていた山岡京子さんを中心に「見守りクラブ」を結成し、丸山ふき子さん、永井康太郎さん、井出峰子さん、柘植郁子さんの5人が協力して、通学路の3カ所で行っている。
 メンバーが「おはよう」と声を掛けると、児童たちは元気に返事をしたり、「いま何時ですか?」「○○ちゃんはもう来た?」と尋ねたりしていた。丸山さんに死角からこっそり近づいて驚かすことを"日課"にしている男子児童もいて、笑顔が広がっていた。
 山岡さんは「学年によって声色を変える」といい、「1年生は学校に行くのが嫌になっちゃうこともある。そんな時には『おばあちゃんたちのいる所まで行こうか』とお母さんが一緒について来てくれることがある」と目を細める。丸山さんは「最初はこちらを無視していたつっぱりの中学生も、『おう!』と声を掛けるようにしたら『おう!』っと返してくれるようになった」と笑う。
 クリスマスにはサンタクロース姿で、節分には鬼の装いをして立つ。山岡さんは「新型コロナウイルス禍で卒業式に参加できなくなり寂しい。成長を見てきた児童たちなので卒業式には参加したい」と願っていた。