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三九郎 炎に息災願う

勢いよく燃える三九郎(松本市白金町)

 3連休初日の6日、松本地方で小正月の伝統行事・三九郎が行われた。田んぼや河川敷などに松飾りやだるまで飾ったやぐらが立ち、無病息災や家内安全を願って繭玉を焼く子供らの明るい声が響いた。松本広域消防局によると、管内の松本、安曇野、塩尻の3市と東筑摩郡約90カ所で行われた。7日の約420カ所をピークに14日ころまである。

 松本市街地の若松町PTAは、地元の小学生らが町会内の約50戸を回って松飾りやだるまを集め、薄川河川敷の筑摩橋下流に高さ3メートルのやぐらを立てた。火をつけて、燃える炎を保護者や住民も一緒に見守り、柳の枝に刺した繭玉を焼いて食べ「おいしい」と笑顔が広がった。源池小6年生の矢久保芽衣さん(12)は「小学校最後の三九郎を皆で楽しめてうれしい」と喜び、大出眞町会長(72)は「昔の人が思いを込めた伝統行事を子供たちが継承していってくれたら」と願った。
 同市白金町の三九郎は沢村公園で行われた。高学年の男子児童を中心に町会役員や保護者と組んだ大小2基のやぐらに点火すると、風にあおられて大きな炎が上がった。親子らはおき火になるのを待ち、繭玉をかざして焼いた。
 開智小6年生の鈴木敦士君(12)は「やぐら作りは大変だったけれど、仲間と繭玉を食べられて楽しい」と笑顔だった。窪田隆彦町会長(77)は「時代に合う形に変えながら、伝統行事をつないでいきたい」と話していた。

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