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塩尻の林農園 丸山琢司さんが日本醸造協会表彰 ワイン醸造技術に栄誉

県内ワイナリー初の醸造技能者表彰を受けた丸山さん

 優れた醸造技能者をたたえる日本醸造協会の本年度醸造技能者表彰を、林農園(塩尻市宗賀、五一わいん)製造課長の丸山琢司さん(60)=松本市南原=が受けた。県内ワイナリーでは初の快挙となる。

 松本市出身。梓川高校卒業後、同市内のガラス工場勤務などを経て平成9(1997)年に林農園に就職。醸造、瓶詰め担当などを経て29(2017)年から製造課長を務める。日本ワインコンクールの金賞・銀賞受賞ワイン11件に携わった。
 酒を飲むのが好きで入社したが、当初はワインのことを「何も知らず」、積極的に上司に質問したり、自主的に同僚とワインを持ち寄って飲み比べたりして知識を吸収した。「素材の良さを引き出す」ワイン造りが信条で、醸造過程に過度に人の手を加えることを控えつつ、必要と判断した作業を的確に行う。
 受賞に「県内にも活躍している醸造技能者が多くいる中、恐れ多い」と謙虚だ。「指導を頂いた先輩、上司のおかげ」と先人に深く感謝している。林修一社長は「社内全体の士気が上がる。その経験を後進に伝えてほしい」と期待した。
 同表彰は酒類のほか、みそ、しょうゆなど醸造分野全般が対象。醸造に従事した期間が通算25年以上で、優れた醸造技能で職務に励み、ほかの模範となっていることなどが要件となっている。