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安曇野で人材紹介業 横浜から移住の桑田さん 日本とモンゴル橋渡し

安曇野での暮らしを実現しながら指揮を執る桑田社長

 モンゴルに特化した人材紹介サービスを手掛けるBRAIST(ブライスト、横浜市)の若手社長、桑田百花さん(28)が、出身地でもある横浜から安曇野市への移住をかなえながら、会社経営を軌道に乗せている。社員7人も関東や東海、モンゴルに居住し「自身は四季を感じられる安曇野を拠点に、従業員もそれぞれが仕事と生活の調和を能動的に図れるスタイルを実現したい」と思い描く。

 平成30(2018)年設立。有料職業紹介の事業許可を取得し、日本の正規雇用と変わらない待遇でモンゴル人材を採用する企業の開拓に奔走する。留学生や技能実習生ではなく、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ主に理系人材200人弱を正社員として、首都圏や都市部の製造業やIT企業などへ送り出してきた。
 企業家が集う加盟団体を通じた県内経営者との交流が縁で令和2年、中小企業とモンゴル人材のマッチングイベントを塩尻市で開催。「山のある景観、きれいな空気に感動した」滞在経験が、昨年2月の移住を後押しした。その後、インターネット上の仮想空間で、社員同士が職場にいるのと近い感覚で会話できるバーチャルオフィスを導入。「相談や質問し合える機会が増えたことで、コミュニケーション不足に起因する業務遂行上の問題点が解消された」
 主要産業が鉱工業のモンゴルで、エンジニアを専攻した若者が自国で希望の職業に就けない現状があるという。一方、日本企業が労働力不足にあえぐ中、全国各地に暮らす人材を社員に迎え、地方企業におよび仲介できる会社規模をイメージする。「長野県は相撲を通じてモンゴルに親しみを持つ人が少なくない」と認識し「多様性への理解醸成など外国人材の採用メリットを発信していきたい」と考えている。