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朝日村公民館の三味線講座人気

山本さん(右)の指導で三味線を学ぶ受講者たち

 朝日村公民館が伝統文化の継承を願い本年度新たに企画した「イチから学ぶ三味線講座」の活動が活発だ。定員を上回る参加があり、初心者から始めた小中学生からシニアまで幅広い年代の13人が熱心に取り組む。当初9月までを予定していたが、受講者と講師の熱意で9月以降も継続して開講することになった。村では、生歌生演奏で踊りなどを楽しむ夏祭り「お夏まつり」を支える和楽器の奏者が減っており、関係者は、担い手育成にもつながることを願っている。

 6月にスタートし、おおむね月2回開講。松本市の民謡歌手・山本扶美枝さんの手ほどきで基本から学んできた。練習を重ねて曲も弾けるようになり、今月下旬の講座では、童謡「さくら」や「春の小川」、民謡の「黒田節」の4曲を奏でた。
 館には、村出身の歌手・俳優の上條恒彦さんが寄贈した三味線5棹があり、受講者に貸し出している。30年前の平成5(1993)年、信州博覧会で村民ミュージカルを上演したことを契機に、音楽文化の継承を願って寄贈されたという。使っていない時期もあったため、開講に合わせ糸を張り替えるなど手入れした。
 受講者の石原英夫さん(73)=古見=は、8月上旬のお夏まつりで三味線を演奏し「練習を重ね、来年以降も参加したい」と話す。信州大学付属松本中学校3年の菊地香羽さん(14)は、和楽器バンドに憧れて三味線に興味を持ち「思った通りに糸にばちがあたらなくて難しいけれど、かっこよく弾けるようになりたい」と話している。