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特急しなの新型車両へ 8年度から走行試験

JR東海が製造する新型車両「385系」のイメージ

 JR東海は20日、中央西線の特急しなのに使用する、次世代振子制御技術を用いた新型車両「385系」の量産先行車を新たに製造すると発表した。振り子車両を用いた現在の「383系」のスピードに加え、乗り心地と安全性をさらに向上させることを目的としており、1編成(8両)を製造し、令和8年度から走行試験を行う。

 外観は「アルプスを翔ける爽風」をテーマにしたデザインで、両先頭車両に前面展望を確保し、自然の風景を味わう旅を演出するとしている。
 開発中の次世代振子制御技術は、車両に搭載したジャイロセンサーで車両と線路のカーブの位置関係を常時監視し、カーブの開始位置からより正確に車体を傾斜させることで乗り心地を向上させる。
 現行383系の振子制御技術は、地上の装置からカーブの開始位置までの距離を取得し、車輪の回転数などで走行距離を計算して車両を傾けている。雨で車輪の滑りなどが発生すると傾斜の開始位置がずれ、乗り心地に影響していた。
 385系には車両機器の稼働・故障状況を遠隔で常時監視する状態監視システムや、車内防犯カメラなどの安全設備も導入する。量産車は令和11年度ころの投入を目指している。