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子連れで安心コワーキングスペース 穂高に開設、女性の働き方支援の場に

子連れで利用できるライフホップをオープンした鈴木さん(左)と、事務局の櫻井一恵さん

 キャリアコンサルタントなどの資格を持つ鈴木翔子さん(37)=安曇野市豊科=がこのほど、子連れで利用できるコワーキングスペース「ライフホップ」を同市穂高にオープンした。出産や子育てでキャリアに空白が生じやすい女性たちを応援したい考えで、今後は子供の見守りサービスなども充実させていく。

 利用料金は2時間500円、1日1000円、月会員5000円。子供用に多彩なおもちゃを取りそろえ、遊べるスペースも設けた。イベント会場としての利用も可能で、プロジェクターやスクリーンは有料で貸し出す。
 現在2児の母である鈴木さんも、出産や夫の転勤などでキャリアを変化させていった経験がある。第1子を妊娠中に夫のフィリピン赴任が決まり、退職を選んだ鈴木さん。県内企業でやりがいを持って働いていただけに、当時は「なぜ私が折れなければいけないのか」と退職を否定的に捉えていたという。
 だが、同様に夫の海外赴任に同行している「駐在妻」の女性たちとの出会いが価値観を変えた。技能や資格を生かして枠にとらわれない働き方をする姿に「いろいろな生き方があると気付かされた」という鈴木さんは、働きたい駐在妻のコミュニティーを立ち上げ、スキルアップなどについて学ぶセミナーを開催。学んだ知識を生かし、渡航から約3年後の令和元(2019)年に現地のベンチャー企業に就職した。
 新型コロナウイルス禍で子供と共に帰国後、都内でフリーランスとして働き、子連れで利用できるコワーキングスペースの必要性も実感した。同じ境遇の仲間が刺激を受け合い、高め合ったフィリピンでの日々を振り返り、「人と人がつながり、第一歩を踏み出せる場になれば」と願う。
 営業時間は平日午前9時半~午後4時。イベント情報はインスタグラムで発信しており、今後はシェアキッチンの出展者も募る。問い合わせはライフホップ(電子メールlifehopa3@gmail.com)へ。