凍霜害 松本市の被害額5億4663万円

松本市は22日、4月の低温による市内農作物の被害見込み額が5億4663万円に上ることを、市議会経済文教委員協議会に報告した。ここ10年では令和3年の7億2785万円、平成25(2013)年の6億145万円に次いで3番目に大きい額となった。県内全域の被害見込み額は23億3285万円で、県内の市町村別では松本市が最も大きかった。
4月10日は沢村と今井、25日は今井で氷点下を観測した。両日ともに氷点下の時間が長く続き、多くの農作物が花の枯死や果実に傷がつくといった被害を受けた。
品種別では、リンゴが4億1570万円、ナシが1億1533万円と果樹の被害が大きい。笹賀、今井、寿、梓川、波田の果樹園が打撃を受けた。ブドウやアスパラガス、スイートコーン、麦などの被害も出た。
市は5月10日に現地調査をして被害状況を確認し、県が実施する被害農家への補助事業を活用する形での支援を検討している。令和3年4月の低温被害では、被害果実を出荷する資材の補助や販売促進などに支援しており、今回も同様の支援をする方向で調整している。
相談窓口は県に一本化されており、市は県とJA松本ハイランド、JAあづみと連携して効果的な支援に取り組む。市農政課の長谷川雅倫課長は「大きな被害を受けた農家が農業を継続する意欲を持てるよう、市として後押ししていきたい」と話している。