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山形・三夜塚遺跡 村出身の関谷昌也さん写真文集出版へ

三夜塚遺跡を題材にした写真文集を出版する関谷さんと寄付特典の土器写真

 山形村出身の関谷昌也さん(76)=松本市城東2=が、村の縄文遺跡・三夜塚遺跡を題材にした写真文集「失われゆく縄文 三夜塚遺跡物語」を今秋にも自費出版で発行する。インターネット上で寄付を募るクラウドファンディングで7月10日まで資金(目標額80万円)を集めている。郷土の重要な遺跡に光をあて、現代人にとって多くの学びや発見がある縄文の文化・暮らしに関心を寄せてもらう機会になればと願っている。

 約110㌻で、同遺跡から出土した土器約30点の写真と縄文の暮らしを想起する風景写真をまとめる。縄文の「村」が舞台のオリジナル物語も展開し、冒頭で現代を生きる少年がミツバチと出合い縄文時代へといざなわれる。登場する土器は個人所有で未公開のものが中心だ。所有者の協力で、関谷さんが撮影した。
 関谷さんは三夜塚遺跡の近くで育ち、子供の頃に農作業の手伝いをしながら見つけた土器片や矢尻を拾い集めた原体験がある。会社を退職後、幼い頃から好きだった遺跡や考古学の勉強にあらためて取り組み、松本市教育委員会の発掘調査員として遺跡発掘調査に参加したり、信州大学の市民開放講座で考古学を学んだりしてきた。
 三夜塚遺跡は東西約800㍍、南北約500㍍の大きな遺跡だが、公的な発掘調査が行われる以前に個人らで発掘され遺物が分散、畑作地のため実態が十分に解明されていない事情がある。関谷さんは「全国に誇れる遺跡の実態を多くの人に知ってもらい、実態解明が進む一つの契機にもなれば」と願っている。
 寄付の協力者全員に文集を贈る。7000円以上の寄付者には、土器写真の特典がある。寄付は、モーションギャラリーの専用ページ(https://motion-gallery.net/projects/sanyazuka425)で募っている。問い合わせは関谷さん(電話090・6002・8287)へ。