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シルバー派遣事業が堅調 塩尻地域シルバー人材センター

派遣事業で花の苗に水をやる会員(塩尻地域シルバー人材センター提供)

 塩尻市と朝日村で活動する塩尻地域シルバー人材センター(岩下昇理事長)のシルバー派遣事業が実績を重ねている。平成28(2016)年度の契約金額は3892万円だったが、順調に増え、昨年度は前年度比8.2%増の6793万円と大幅に伸びた。派遣事業では、会員の高齢者は発注者(企業、官公庁など)から指揮命令を受けて作業するため、発注者や現場としては仕事がやりやすいようだ。

 シルバー人材センターは高齢者の生きがいづくりが目的で、原則として60歳以上の人が会員となる。働き方には主に請負とシルバー派遣事業がある。請負では、仕事をセンターが一括して発注者と契約を結び、会員に仕事を提供(紹介)する。発注者は会員への指揮命令はできない。会員が発注先の社員と一緒になって業務を行う「混在作業」もできない。
 派遣事業では、会員は県シルバー人材センター連合会と労働契約を結び就業する。会員は発注者から指揮命令を受けて仕事をする。混在作業も可能だ。
 塩尻地域シルバー人材センターの昨年度の総契約金額は前年度比1.7%増の3億5578万円だった。請負の額が多いことは変わりないが、同センターによると、少しずつ請負から派遣事業へとシフトしてきている。
 4年度の派遣事業の受注件数は68件(公共18件、民間50件)だった。分野別では、小売店などの「販売」が32件と最も多く、続いて「運搬・清掃・包装」の23件となっている。
 派遣事業の契約金額が伸びる一方で、会員数は減少が続く。法改正により企業に65歳までの雇用確保が義務化され、60代の入会数が減少傾向にあることも背景にある。同センターの竹村伸一事務局長は「仕事はあっても(人的に)応えられないこともあり、会員の確保が課題」と話している。