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風味と甘み凝縮「寒晒しそば」 山形村の7店舗が期間限定で提供

そばを通じて村を盛り上げている会のメンバー

 山形村のそば職人や生産者でつくる「日本一のそばの里を創る会」は1日、厳冬期の川に実をさらし天日で乾燥させた「寒晒しそば」の提供を、村内の7店舗で始めた。そばを通じて山形の魅力を発信していこうと3年前から取り組む。メンバーは「3年目にして自信を持って出せる寒晒しそばができた。ぜひ味わってほしい」と手応えを感じている。

 期間限定で、各店舗が1日10食程度をざるそばで提供し、なくなり次第終了となる。上竹田の「そば処木鶏」では、初日から地元の常連客や県外から訪れた人が、舌鼓を打った。村内に住む常連の男性(53)は、同会が手掛けた1、2年目の寒晒しそばも味わったといい「口の中でまず甘さが広がる。風味もいい」と喜んだ。初めて味わった塩尻市広丘野村の渋澤知祥さん(66)は「のどごしが良く、繊細な中にも食べ応えがあった」と話した。店主で、会副代表の塙和貴さんは「店ごとにひき方や打ち方が違い、そばの表情が違う。食べ比べも楽しんで」と勧めていた。
 江戸時代に村が高遠藩領だった時期があることから、藩が将軍家へ献上していた寒晒しそばを同会で研究している。3年目は村内の遊休地で栽培した玄ソバ約270キロを、1月中旬~2月上旬に唐沢川につながる沢で浸水させた。引き上げた後は約3週間寒風にさらし、天日干しした。上條哲夫代表は「甘みやうまみが凝縮する。村に誇りを持てる活動を、次世代につないでいけたら」と願っている。
 提供店舗は、そば処からさわ亭、水舎つつみ庵、根橋屋、そば処木鶏、鮨赤坂、そば処かみじょう、農産物直売所・竹田の里。竹田の里では、生そば(2人前・1200円)、そば粉(500グラム・1300円)を販売している。問い合わせは各店舗へ。

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