中途採用で週休3日の募集枠 塩尻の立石コーポレーション

ガソリンスタンド運営などを手掛ける立石コーポレーション(本社・塩尻市、立石宗一郎社長)は今春から、従業員の中途採用で、週休3日制での募集枠を設けている。働き方の選択肢を増やして人材獲得につなげる狙い。一部大手企業で導入の動きがあるが、業務とのバランスなどの課題もあり、中小企業、特に小売業やサービス業での導入は珍しい。
ガソリンスタンドの現場スタッフとして働く一般職を対象とする。1日の勤務時間は週休2日の社員より2時間長い10時間となる一方、年間休日数は週休2日の105日に対し157日に上る。有給休暇は別途取得する。
基本給は変わらない。誕生日や結婚記念日の休暇もあり、学びや同社で認めている副業、育児、介護などそれぞれのライフスタイルに合わせて働ける環境を整える。
吉岡知輝管理部長は、ガソリンスタンド業界に「休みが取りにくい」というイメージがあり、人材確保が課題だとみる。週休3日制の導入で、「『しっかり休める』という新たなイメージにつながる働き方改革を、塩尻から発信したい」と話す。将来的には、週休2日の社員が希望した場合、週休3日に変更できる制度の導入も検討していく。
塩尻商工会議所中小企業相談所の斉藤貴子所長は、週休3日制の導入には、仕事に穴を空けないための人員確保や業務効率化などが必要だとし、市内中小企業では「聞いたことがない」と説明。立石コーポレーションの事例を「最先端の取り組みだ」と評価した。