教育・子育て

図書館活用 小中学生が考える 塩尻市立図書館の講座が終了

講座で中高生の利用を増やす方策を発表する子供たち(19日)

 塩尻市立図書館は今月、来館者が求める資料や情報を探すのを手伝う「レファレンス業務」について、小中学生が学び、実践する「ステップアップ講座」(全3回)を初めて開いた。受講した13人は早速、レファレンスの技術を使って図書館の現状を調べた上で、中学、高校生の利用が少ないなど、図書館が抱える課題の解決策を提言した。

 図書館はこれまで、司書の仕事を学ぶ講座「目指せ!図書館マスター」(全7回)を行い、延べ約100人の子供たちが受けた。新講座は、マスターとして認定された小中学生に、より踏み込んで業務を知ってほしいと企画した。子供たちは司書にレファレンスの基本を教わった上で班に分かれ、館内の本や資料、インターネットなどを使い、課題解決の方策を考えた。
 19日に最後の講座があり、赤羽高志教育長らに提言した。桔梗小学校6年の篠田遥さん(12)と松本市明善小学校5年の平岡穂月さん(11)らの班は「図書館概要」などの資料を調べ「市立図書館の利用者は小学生に比べ、中学生が4分の1、高校生は6分の1に減少する」と発表した。
 他の班は、減少の理由について「勉強や部活が忙しい」と指摘し、参加しやすいように15~30分と短時間で申し込み不要なイベントの開催を提案した。中高生の多くが利用するメッセージアプリ「LINE(ライン)」のスタンプを取り上げ「図書館のオリジナルキャラクターでスタンプを作っては」とのアイデアもあった。
 学習イベントの提言もあり、上條史生館長は「1人で勉強するだけでなく学び合うということは大切。司書と中高生が一緒に学べる機会をつくれたらいい。これからも図書館を応援してもらえたらうれしい」と話していた。