酒・糀 三つの蔵巡り楽しむ 木曽町 観光客ら見学や体験

「発酵食品のまち」を掲げる木曽町の福島地区で19日、日本酒の酒蔵やみそ蔵を開放する「蔵開き」が開かれた。徒歩圏内にある七笑酒造と中善酒造店、小池糀店が日を合わせて開く恒例の催し。地元住民や観光客が三つの蔵を巡り、町歩きも楽しんだ。
いずれの蔵でも普段は入れない製造現場の見学ができた。七笑酒造では蔵人が案内役となり、室温が30度前後に保たれた「麹室」と呼ばれる部屋に入ったり、櫂棒を使って酒母や醪を混ぜる「櫂入れ」の体験ができた。杜氏の柳沢悟さんは「酒造りの世界に触れて笑顔になってもらえることが一番。酒をより身近に感じてもらいたい」と話していた。
中善酒造店では、ほろ酔いを楽しむ左党らが参加した利き酒大会があり、盛り上がった。小池糀店では、来場者がみそ玉を見学し、こうじ作りの説明に耳を傾けた。静岡県浜松市の会社経営・富永誠一さん(55)は、蔵開きに足を運ぶのは昨春に続いて2度目だった。町内に前泊して臨んだといい「人情味あふれる町でのすてきなイベント。居心地が良すぎて〝人を堕落させてしまうほど〟です」と笑っていた。